Q&A


糖尿病について皆さんからよくお受けするご質問にホームページでお答えします。
正しい治療を受けるためのご参考にしてください。

 Q&A 看護師
Q1
糖尿病と足の病気とは関係があるの?
Q2
目に何も異常を感じなくても眼科受診は必要でしょうか?
Q3
血糖が高くなると感染症にかかりやすくなりますか?
Q4
インスリン注射はどんな人が打つの?
Q5
インスリン注射を始めたら一生やめられないの?
Q6
インスリンをしていても海外旅行は行けますか?

 Q&A 検査技師
Q7
頸部エコーで血液のサラサラ・ドロドロがわかるのですか?
Q8
メタボリックシンドロームとは、なんでしょうか?
Q9
血糖値を自宅で測定できる機械がありますか?
Q10
糖尿病腎症を調べるためには、どんな検査があるのですか?
Q11
尿糖値から何がわかるの?

 Q&A 管理栄養士
Q12
どんな食べ物が糖尿病には良いのですか。
Q13
脂っこい料理、甘いものは食べていないのに血糖が良くなりません。
Q14
勤務が不規則で朝食が食べられず1日2食になってしまいます。
総カロリーは守っているつもりですがよいでしょうか?
Q15
スローフードが体に良いと聞きました、糖尿病にとっても良いですか?
Q16
低インスリンダイエットが話題になっていますが糖尿病には良いのでしょうか?
Q17
食事療法で指示されたカロリー内であれば、主食を減らしてその代わりにアルコールを飲んでもいいですか?
Q18
健康食品を利用してもいいですか?

 Q&A 薬剤師
Q19
糖尿病に使う飲み薬はたくさんあるのですか?
Q20
飲み薬を始めたら食事・運動療法を少し緩めることができますか?
Q21
インスリン注射は面倒ですか? インスリンの飲み薬はないのですか?

 Q&A 医療事務
Q22
領収書の項目で、「医学管理等」とあるのは何ですか?
Q23
領収書の項目で、「在宅医療」とあるのは何ですか?
Q24
インスリン注射をされていない方が、自宅で血糖測定をした場合の
検査用チップ(センサー)と針(マルチレッドなど)は医療控除の対象になりますか?

 Q&A その他
Q25
現在飲み薬で糖尿病の治療を受けていますが、インスリン治療が必要といわれました。
このまま現在の治療で病状を良くすることはできないのでしょうか?
Q26
糖尿病は遺伝するのでしょうか?
Q27
初めて糖尿病といわれた上、即入院をすすめられたのですが?
Q28
検診で血糖が高めと言われましたがどうすればいいのでしょう?
Q29
糖尿病の合併症が心配なのですが
Q30
インスリン治療をしている場合、風邪など他の病気で食事が摂れなくても
インスリン注射はしなくてはならないのでしょうか?


Q1. 糖尿病と足の病気とは関係があるの?
足は神経障害や血流障害がおこりやすい部位です。痛みを感じにくくなり、傷の発見が遅れがちになるほか、化膿しやすくけがも治りにくいので糖尿病の人は特に足の手入れに配慮が必要です。
タコくらいと軽くあつかわないでくださいね。
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Q2. 目に何も異常を感じなくても眼科受診は必要でしょうか?
三大合併症の一つである糖尿病性網膜症は初期の段階では、目が痛い痒い、かすむといった自覚症状が何もなく、周辺より発症する為知らず知らずのうちに進行します。そしてある日突然に「真っ赤なカーテンでかすんで見える。」等の訴えで眼科を訪ねる事になります。

しかしその頃にはすでにどうしようもないほど病気は進行し失明を逃れる事ができなくなります。網膜症は血糖コントロールをきちんとするだけで食い止められますが、血糖コントロールが十分でないとじわりじわりと発症し進行します。この発症を予防し早期発見する為には眼底撮影を行い、実際に目の血管に異常がないかどうかを診る事でしか確認する事ができません。又、発症後に症状の進行を最小限に抑える為にも、定期的受診は欠かせないのです。
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Q3. 血糖が高くなると感染症にかかりやすくなりますか?
血糖が高い状態では、細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫機能が低下し感染症にかかりやすくなります。血糖が高い状態が続くと血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が十分に送り届けられないために細胞の働きが悪くなりますし、細菌やウイルスを撃退する白血球を十分に届けることができなくなります。また、感染症にかかると、インスリンの作用が弱まり、血糖値がいつもより高くなってしまうため、さらに免疫機能が低下して治療が長引きます。

かぜやインフルエンザをはじめ、膀胱炎などの尿路感染症、水虫などの皮膚感染症、歯周病、結核、肺炎、胆嚢炎などが比較的多い感染症です。血糖コントロールがよくないと、これらの感染症にかかりやすく、治療にも時間がかかりますので、コントロールの改善と感染予防をこころがけましょう。
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Q4. インスリン注射はどんな人が打つの?
糖尿病は大きく2つの型に分けられます。
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Q5. インスリン注射を始めたら一生やめられないの?
内服療法などに変わることもあります。 治療方法や手段は、お一人お一人の状態にあったものを選択していきます。
継続的な検査でご自分の状態を知り、適切な治療で糖尿病の合併症を防ぐことが大切です。
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Q6. インスリンをしていても海外旅行はいけますか?
もちろんいけますよ。
海外旅行で時差のあるところへ行く場合は、事前に旅程表を持参し、旅行中のインスリン注射の仕方や食事の調整方法を主治医とよく相談しておきましょう。
機内持ち込みの荷物には を準備しておくとよいでしょう。
インスリンは搭乗前に預ける荷物に入れると、貨物室での凍結の恐れや、荷物ごと行方不明になる恐れもあるので必ず手荷物に入れ、盗難などの緊急事態に備えて予備のものを持つようにするとよいでしょう。
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Q7. 頸部エコーで血液のサラサラ・ドロドロがわかるのですか?
頸部エコーでは血液の粘張度そのものより、その流れ具合によって血管が受けている状態をみることができます。血液の中に余分な脂分などがあると血管の内側にへばりついて血管の壁が分厚くなります。また血管が曲がっていたり枝分かれしているところには汚れが溜まり易くなります。壁が厚くなると弾力性がなくなり、汚れが血管の内側に盛り上がるとますます流れを悪くします。このような状態を動脈硬化といい、糖尿病や高脂血症、高血圧症の人は進みやすいと言われています。
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Q8. メタボリックシンドロームとは、なんでしょうか?
内臓脂肪型肥満(腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上)に、高血糖、高血圧、高脂血症が重なると、動脈硬化が起きやすくなります。この状態を「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」といいます。肥満、高血糖、高血圧、高脂血症は、自覚症状に乏しいことが多く、そのため危機感も希薄で軽視されがちですが、それぞれは深刻な状態でなくても重なることによって心筋梗塞や脳梗塞に進行する率が、健康な人に比べ約5〜30倍も高くなります。これを改善するためには、バランスの良い食事を規則正しく摂る事と、適切な運動と禁煙が大切です。40〜70才の日本人男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームか、その予備軍であることが国の調査で分かりました。
「最近おなかが出てきたな。」と思われる方は気をつけましょう。
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Q9. 血糖値を自宅で測定できる機械がありますか?
患者さんが自分で血糖測定のできる簡易の測定器があります。
指先や手の平から米粒の半分程度の血液量で、10数秒で血糖値を知ることができます。
正しい使い方さえすれば、かなり正確な値を得られるほど測定器は進歩しました。
インスリン注射をしている方が健康保険の適用となっています。
血糖値は1日の中でも食事、運動、ストレスなどで様々に変化し、インスリンや経口薬などを使用しているとその変化はさらに複雑になります。
血糖測定を自分で行うと、血糖値の動きと日常生活の変化をその場で振り返ることができるため、生活習慣や自己管理を見直すよい指標となります。
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Q10. 糖尿病性腎症を調べるためには、どんな検査があるのですか?
腎症が進行すると尿検査でタンパクが陽性になりますが、腎症の初期は自覚症状がないため気づかないうちに進行していることがあります。そのため、できるだけ早期に腎症を発見することが大切です。
その検査のひとつに「尿中アルブミン検査」があります。通常の尿検査よりも感度の良い方法で、タンパクの小さな分子のアルブミンを測定する検査です。
腎機能が正常な場合、尿検査でのタンパクは陰性で、尿中アルブミン値は低値です。
尿中アルブミンが 30〜299mg/gCr になると早期腎症期(第2期)と呼ばれ、尿検査では陰性から弱陽性(±〜+)であることが多いです。尿中アルブミン値が高くなってくると、腎症害のみならず心臓病によって死亡するリスクも高くなると言われています。
しかし、早期腎症期の段階でも血糖と血圧を良好に保てば、腎症の進行を抑えたり、腎機能が改善したりする場合もあります。腎機能が低下していないか調べるために1年に数回、尿中アルブミンの検査を受けることをお勧めします。
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Q11. 尿糖値から何がわかるの?
血糖値は、食事や運動により刻々と変化していきます。では尿糖はどうでしょう?
尿は血液の老廃物として体から排出されます。血液は腎臓でいったん全てろ過され、その後糖分やタンパク質など体に必要なエネルギーは再吸収して体に戻されます。
そのため、健康な人では尿中に糖が出てくることはほとんどありません。
ところが血糖値が 160〜180mg/dl を超えると体に再吸収しきれなくなり尿中に排出されます。これが尿糖です。

尿糖値は血糖値と違い排尿してから測定までの血糖値の状態を反映するので、尿糖が出ていればこの間に 160〜180mg/dl 以上の高血糖状態があったことを知ることができます。食事量や内容と血糖値との関連を特にみたい時は、食事前に排尿してから食後2時間後の尿を測定します。
尿糖測定は食後高血糖を確認するために重要な手がかりとなる検査です。
また、痛みもなくコストも安いのもポイントです。
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Q12. どんな食べ物が糖尿病には良いのですか。
よく聞かれる質問ですが、とても大切なポイントだと私はいつも思います。どんな食べ物でも長所と短所があります。人間と同じです。それぞれの食べ物の特徴を正確にとらえても、それが良いか悪いかに分けることはできません。マスコミではある食べ物の一面を誇大表現して報道されますから惑わされてしまうのも無理ありません。「どんな食べ物が良いのか」ではなく、「その方にとってどんな食べ物、どんな食べ方が必要なのか」をお話することはできます。しかし、こちらが一方的に押し付けることはありません。その方に合ったお食事の習慣やご病状を考慮して一緒に考えていくという姿勢を大切にしています。
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Q13. 脂っこい料理、甘いものは食べていないのに血糖が良くなりません。
最近は加工食品や調理済み食品が増え、外食する機会も多いですからどんな材料をどのくらい使っているのかがわかりにくくなっています。
油脂に関しては目に見えないあぶらが要注意。豆腐、納豆ならヘルシーと思っていませんか? 白米はほとんど食べずにおかずを色々つまむような食べ方は和食でも意外に高カロリーです。
また、「〜のタレ」や「〜の素」といった調味液は糖分が多いものがありますので注意してください。市販の惣菜や弁当の煮物も砂糖や醤油の量が多めになっていますので頻繁に口にするのは控えたいです。
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Q14. 勤務が不規則で朝食が食べられず1日2食になってしまいます。総カロリーは守っているつもりですがよいでしょうか?
総カロリーが守られていたとしても1日2食のまとめ食いは血糖を異常に高くします。
糖尿病の人はインスリンの働きが悪いので1回に食べる分量を少なくするためにも3食は食べましょう。
しかし、人間日々何があるかわかりません、朝寝坊したり事情により食べずに家を出ることもあるでしょう、そういったときは栄養バランスクッキーやバナナと牛乳、おにぎりと野菜サラダなどコンビニでも簡単に手に入る食品を上手に利用するとよいですね。
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Q15. スローフードが体に良いと聞きました、糖尿病にとっても良いですか?
「ファーストフード」は昔からよく耳にする言葉ですよね。その直訳通りフライドチキンやサンドイッチ、ハンバーガー、牛丼、など店で売っていてすぐ食べられる食べ物のことをいいます。
逆に「スローフード」とは直訳すると「ゆっくり食べる食べ物」となります。その言葉通り、ゆっくりよく噛んで食べる料理のことですね。食後高血糖を是正するためにもスローフードはお薦めです。具体的には昔ながらの日本食をイメージしていただければ良いと思います。麦ご飯、芋や野菜などの食物繊維をたっぷり使った料理はまさに日本のスローフードの代名詞ではないでしょうか。
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Q16. 低インスリンダイエットが話題になっていますが糖尿病には良いのでしょうか?
低インスリンダイエットの要点はグリセミック・インデックス(G.I.=食品の中に吸収効率の高い糖質を含む割合)の低い食品を選んでとることで食後のインスリン分泌を節約する、というものです。インスリンは確かに糖質の細胞への取りこみを促進し、過食の場合インスリン分泌が過大となって肥満につながります。しかし一方でインスリンはそれ以外にも成長や体内での栄養分の処理に重要な役割を持っており低くしさえすれば良いというものではありません。
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Q17. 食事療法で指示されたカロリー内であれば、主食を減らしてその代わりにアルコールを飲んでもいいですか?
以前はアルコールを飲む代わりにご飯を減らせばよい、といった指導をした時期がありました。しかし現在ではアルコールに含まれているカロリーは炭水化物やそのほかの栄養素とは異なる特殊なものと考えられており交換はできないとされています。糖尿病の患者さんにとってアルコールはできれば摂取しないほうがよいのですが、コントロールが安定している、肝障害がない、薬物との相互作用の心配がない、などの条件が整えば少量飲むことが可能となります。この場合日本酒でしたら1日1合までを目安にしてください。
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Q18. 健康食品を利用してもいいですか?
最近よく耳にするようになった健康食品やサプリメントですが、これらは薬と異なり、特定の疾病(病気)を治してくれるものではありません。また、服用によって病状に影響を与える場合もありますので、服用前にスタッフにご相談ください。
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Q19. 糖尿病に使う飲み薬はたくさんあるのですか
昔は膵臓を刺激してインスリンを出させるくすりなど1〜2種類ぐらいしかありませんでした。現在は、それ以外にインスリンの効きを良くするもの、食後の血糖の上昇をゆっくりさせるもの、インスリンを出させる効果がとても早く出るものなど種類が増えました。それぞれの糖尿病の状態に合わせて使われています。でも薬は補助的なものです、まずは糖尿病の治療を開始することが大切です。
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Q20. 飲み薬を始めたら食事・運動療法を少し緩めることができますか?
飲み薬は食事・運動療法を助ける自転車の補助輪のようなものです。
薬を飲んでいるからと安心はできません。メインはやっぱり食事・運動療法です。
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Q21. インスリン注射は面倒ですか? インスリンの飲み薬はないのですか?
インスリンはアミノ酸でできているので口から入ると消化されてしまい効果がなくなります。残念ながら今のところ飲み薬はありません。
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Q22. 領収書の項目で、「医学管理等」とあるのは何ですか?
「医学管理」というのは、医師が患者さんの心身の状態を医学的に診て、その状態に応じた投薬・検査・運動・栄養指導などの療養上にかかる管理のことです。
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Q23. 領収書の項目で、「在宅医療」とあるのは何ですか?
「在宅医療」と言われると、往診や訪問看護などが思い浮かぶと思いますがインスリンの自己注射も「在宅医療」になります。
自己注射に対しての指導管理、針の処方、血糖自己測定に基づいての指導(センサー、マルチレットの費用も含みます)がこれに含まれています。
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Q24. インスリン注射をされていない方が、自宅で血糖測定をした場合の検査用チップ(センサー)と針(マルチレッドなど)は医療控除の対象になりますか?
残念ながら、治療に役立つとても大切な情報ではありますが、直接的に病を治すものではないので対象とはなりません。
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Q25. 現在飲み薬で糖尿病の治療を受けていますが、インスリン治療が必要といわれました。このまま現在の治療で病状を良くすることはできないのでしょうか?
飲み薬(経口血糖降下剤)はあまりにも血糖が高くなりすぎてしまうと効き目が悪くなります。この場合一時的にでもインスリン治療を行えば血糖を下げて再び飲み薬が効くようにできることが多いのです。ただ長期的に飲み薬が効くようにするためには治療の基本である食事療法、運動療法が同時にできているかどうかの確認が必要になります。これができていなければ飲み薬に戻してもまた効かなくなる場合があるからです。
一方で飲み薬を10年以上の長期にわたって使用した上で効果が落ちてきた場合には、インスリン治療への全面的な切り替えが必要になります。この場合インスリン治療を継続することになります。
どちらのケースに当てはまるかは検査の結果判断できます。合併症の予防のためには自分の病状にあった治療を選ぶことが大切です。
なおインスリン自己注射は特別難しい技術ではなく外来で十分習得できます。
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Q26. 糖尿病は遺伝するのでしょうか?
糖尿病には大きく分けて1型と2型があり、中年以降に発症することの多い2型は遺伝要因の影響が大きいといわれます。親兄弟に糖尿病の方がいれば食生活など日常の過ごしかたには十分注意が必要です。また検診なども積極的に受けるべきでしょう。遺伝的に糖尿病になりやすい人が脂肪や砂糖を多く含む食事をとりつづけ、運動不足であれば将来発症する確率は高くなると考えられます。
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Q27. 初めて糖尿病といわれた上、即入院をすすめられたのですが?
糖尿病はよく検査と教育の病気である、といわれます。病状を必要な検査により的確に診断し、患者さんご自身が病気の本質を分かった上で療養について理解し実行することが治療に欠かせません。
これらを短期間で済ませるための近道は入院治療でしょう。
しかし昨今、仕事などの理由で短期間であれ入院治療が可能という方は少なくなっています。初期治療がその後の経過を決定する場合もありますので、外来での治療開始を望まれる場合は最初のうちだけでも糖尿病の専門医に受診することをお勧めします。
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Q28. 検診で血糖が高めと言われましたがどうすればいいのでしょう?
新しい糖尿病の診断基準では、血糖値が2回にわたって一定以上の高値であれば糖尿病と診断ができます。朝食を抜いての採血であれば正常値は 110mg/dl 未満、異常値は 126 以上、境界値は 110−125 となります。つまりこの条件では 126 以上の血糖値が2回確認されれば糖尿病と診断されます。
数値によっては他の検査を追加した方が良い場合もありますので専門医に受診しご相談下さい。
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Q29. 糖尿病の合併症が心配なのですが
糖尿病の合併症は何年も血糖値の高い状態が続くと現れてきます。
ただし初期には自覚症状がなくて自分では進行しているのかどうか判断することができません。合併症は眼や腎臓、神経などいろいろな部位に起きますがどの程度進行しているか判断するためにはそれぞれ検査が必要です。
合併症の進行を防ぐためには血糖コントロールの改善が必須です。また最近は血圧の調節が大きく影響することも明らかになりました。いずれも長期間にわたる安定が理想です。マラソンレースのつもりで息切れしないよう気長に治療を続けてください。
また血糖の状態が悪いからといって急激に低下させるとかえって合併症の悪化を招く場合もあり、初期には専門医による慎重な治療が望まれます。
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Q30. インスリン治療をしている場合、風邪など他の病気で食事が摂れなくてもインスリン注射はしなくてはならないのでしょうか?
インスリン注射は体内でのインスリンの不足を外から補充する治療ですので、風邪などをひいて体調が悪いときにも注射は中断できません。食欲がなく十分食べられないときでも血糖を測ると意外に高いことをよく経験します。炎症が強いためにそうなるのですが、こんなときにインスリン注射をしないといっそう高血糖を招き病状が悪化することになります。食欲がない場合の調整は個人ごとに異なりますのでふだんから主治医と相談しておくべきことです。
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